げいむすきお伝(種本)~DQX~

アストルティアにおける吾輩の軌跡を全てここに記す。この記録を読んでおる貴公は幸運である。なぜなら勇者すきおの偉業を後世に伝える役目を担うことができるからである。この記録を種本とし、各々の「げいむすきお伝」を完成させてもらいたい。

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【コラム】げいむすきおの名前の由来

吾輩はげいむすきおである。
実は最近少し気になっていることがある。
それは吾輩の名前に関することである。

どうやらこの世界の民にとって「げいむすきお」というこの名前は、非常に奇異にうつるらしいのである。
しかし、吾輩の世界では非常に深い意味のある名前であり、吾輩自身も気に入っておる。

よって、今日はそのことについて詳しく説明してやろうと思う。


アストルティアにはわけのわからぬ名前が多いが、吾輩の故郷では名前に意味を持たせることがままある。

例えば、なつめそうせきの「そうせき」。

誤りを指摘されても間違いを認めない依怙地な態度やそういった態度をとる人物を意味する「枕流漱石」という言葉にちなむ。

他には、まさおかしきの「しき」。

「しき」とは、口の中が赤く今にも血を吐きそうな甲高い鳴き声をする鳥の名で、自らが胸を患い血を吐くような病態にあったため、その鳥の名にちなんだ。

吾輩の名前にもそういった深い意味があるのである。


まず姓の「げいむ」。

これはgame=ゲームのことである。
さらに分かりやすく言うならば「遊戯」という意味である。
特に「明確にルールの規定された遊戯」を指す。

そして名の「すきお」。
これは「すき」と「お」に分割され、「すき」は好むということを表し、「お」は男を表す。

つまり、「げいむすきお」とは「明確なルールに規定された遊戯を好む男」という意味があるのである。


名前に意味がある例として、吾輩の世界では他にこういったものがある。

ふたばてい しめい = 父に「くたばってしめ(ま)え」と言われたためその言葉をもじった
えどがわ らんぽ = エドガー・アラン・ポーの名をもじった

他にも例が欲しいか?
そうか。なかなか欲しがるではないか。

おだ まり = 口数が多すぎるようですので、少々慎んだ方がよろしいですよ
みずた まり = 水がたまっている

まだこれでも少ないか?
無論、これだけではないぞ。
他にもあるにきまっておるではないか。

つめきり = 爪を切る道具
かんきり = 缶の蓋を切る道具

これだけ並べればわかったであろう。
吾輩はもう寝る。
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【コラム】酒場の紹介文と吾輩の美学

吾輩はげいむすきおである。
酒場に登録する以上は、多くの人に雇ってもらいたいと誰しもが思うことだろう。

吾輩は初めて酒場に自分を登録する際に、特に深い意味もなく「吾輩はげいむすきおである。」とだけ書いておった。
それはそれで雇ってもらえたのであるが、どうせならもっと効果的な紹介文にしたいと思い、どうするのが良いか考えた。

まずは自分が雇う立場であった時、どういった人物を雇いたいかを考える。

誰かを雇う時、まず考えるのは仲間の組み合わせ方である。

最低限「攻撃役」「壁役」「回復役」がおればよかろう。

攻撃役には、戦士、武闘家、魔法使い。
壁役には、戦士。
回復役にには僧侶。

こういった職業があてはまる。
人数に余裕があれば、盗賊や旅芸人といった職業を追加することになるだろう。

吾輩は戦士であり、攻撃役、壁役の二つを兼任することができるため、あとは僧侶を一人雇えばよいということになる。
逆に戦士以外の職業の者からすれば、攻撃役にも壁役にもなってくれる戦士がおれば、心強いことだろう。

更に攻撃力を上乗せしたいならば、魔法使いを雇えばよいが、魔法使いはMPがなくなるとただのひ弱なもやしっ子になってしまうため、難しい所である。
戦闘勝利時MP回復のようなスキルもあるが、消費に対して回復量があまりに少なく心もとない。
MPを回復させるアイテムを大量に持って行ったり、雑魚戦は待機させておいてボス戦ですべての力を発揮してもらうなどの小細工が必要になる。


ここからは実際にあった話をまじえていこうと思う。

あれは吾輩がまだレベル19だったころの話である。
登録簿を見ると、同じレベル19で「斧使いです。攻撃力に自信があります」といった内容の紹介文があった。

オーガの戦士だ。

確かにこれは攻撃力に期待ができそうである。
そう思い能力を見ると「こうげき力:82」。
なるほど、これはなかなか……。

そして「吾輩の攻撃は?」と確認してみると……84。

なるほど。

吾輩は自らの紹介文に、そっと「攻撃力84」という文言を付け足しておいた。
単に「攻撃力が高い」と書くだけよりも具体的な数値で書かれていた方が雇う参考にしやすかろう。

こうげき力に加えしゅび力も併記しておけば、雇う側としてはより効率的に探せて便利になるに違いない。


一方、僧侶であるならばまた別の売り込み方があろう。

スティック持ちでMPを自力で回復できることや、かいふく魔力が高いことが僧侶としての売りになるので、そういった情報が紹介文に入っていると吾輩の様な戦士の立場からすれば雇いやすい。
もしくは、槍を持ち、回復もできる上に攻撃力もある、ということを主張するのも有りであろう。

だが、効率ばかりを求めても面白くない。

あえて無駄を作るのが吾輩の美学であり、正義である。

よって、「吾輩はげいむすきおである。」という文言は消さずにいる。

結果として「吾輩はげいむすきおである。攻撃力84。」という紹介文になった。
紹介文は20文字以内であるため、攻撃力が3桁になったとしてもぎりぎり入る計算である。
残念ながら、しゅび力を書くには文字数が足りないため諦めた。



雇う基準はなにも能力ばかりではない。
吾輩は、酒場を利用する者が「役に立ちそうだから」という理由だけで雇っていくとは考えておらぬ。
紹介文から人物像を想像し、それを雇う基準とすることもあるはずなのである。

効率を求める者にとっては、吾輩の様な余計な情報を載せる者はノイズに感ずるかもしれぬ。
名前は別の欄に書いてあるわけであるから、自己紹介の欄でまで名前を宣言するのは無駄以外の何物でもないだろう。

だが、そういった無駄を好む人間もおるのである。

吾輩が雇った僧侶も、スティックを装備しておらぬ上、大して回復魔力も高くなかった。

では、なぜ雇ったかというと、異国の英雄譚に出てきた武将の名前で、紹介文が「ともに戦おう」といったような内容であったからである。
英雄譚の中でその武将は槍を使っており、この僧侶も同じく槍を装備しておった。
「桃園で盃をかわそうではないか」という心持で雇ったのだった。


無論、この話は効率を求める人間を否定するものではないぞ。
彼らには彼らの美学があり、正義があることを知っておるからである。


ただし、そういった「無駄が好きだ」という話とは別に「紹介文に能力を載せた方が良い」こと、「魔法を使う職ならスティックを装備した方が雇われやすい」こと、「同じく魔法を使う職ならMP自動回復は売りになる」こと等を、知らない人間に教えてやるのは非常に有意義なことだと考えておる。

知らずに無駄なことを書いているのと、知った上で無駄なことを書いているのとでは、大きく違うからな。


吾輩も「一文は短い方が読みやすい」であるとか、「画像が少ないブログは読む気にならない」などということは重々承知の上でこの文章を書いておるので、「箇条書きなら数行で済む様な内容を、長々と不必要に書き連ねて無駄が多すぎる」などとは言わないでいただきたいのである。

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都会の風は冷たかった。

吾輩はげいむすきおである。
メラゾーマの様に激しくレーンの村を飛び出し、たどり着いたのはジュレットの町であった。

初めての都会。
実に多くのウェディがおる。

ウェディばかりではない。
他の種族も多数おるようである。

吾輩は町をしばらく観光した後、町の周辺を散歩することにした。
村から来た道を少し戻ると、しびれくらげがいた。



HPが50そこそこしかないところに20も食らったのではたまらぬ。
慌てて逃げ出し、他に手ごろなモンスターがおらぬか物色する。

辺りを見回すとスライムナイトがおった。
人間であったころに何匹も軽く倒した記憶がある。
こいつならいけるだろうと、軽い気持ちで戦いを挑んだ。



惨敗であった。

ボスを倒したからと、少しばかり調子に乗っておったようである。
この辺の最弱モンスターはスライムべスであり、その次がしびれくらげである。
そのしびれくらげにすら敵わぬのであれば、全くお話にならない。

仕方がないゆえ、町のもう一か所の出口から行けるジュレ島上層にもいってみたが、こちらはさらに強かった。


吾輩はレーナム緑野まで逃げ帰り、リリパットで経験値を稼ぐことにした。

せめて、しびれくらげでレベル上げができるくらいに強くならねば、この先、生きてはいけぬであろう。


ルーラストーンをジュレットの町の教会に設定し、死んだ時はレーナム緑野の「祈りの宿」に戻るようにしておく。

こうすることで、リリパッドを倒しに倒してレベルを上げ、自信がついたところでルーラストーンを使って、ジュレットの町に帰り、しびれくらげと戦い、もし、やはりまだ力及ばず倒されてしまうようなことになったとしたら、レベル上げをやりなおせとばかりに祈りの宿に戻されるという形になるからである。

結局、レベル15まで上げて、ようやくしびれくらげと張り合えるだけの強さになったのである。

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ウェディの身体で初めてのボス戦である。

吾輩はげいむすきおである。
これからはウェディの戦士として生きていこうと強く誓ったところである。

レーンの村のすぐそばに生息しておるスライムやモーモンならば、ウェディの身体になれておらぬ吾輩でも楽に倒すことができた。

本来ならば、ここで少しレベルを上げておくべきであるのだろう。
しかし、吾輩は必要に迫られた時以外はレベル上げはせぬ性質であるため、すぐさま、話を進めるため慰霊の浜に行く。

その後もあれをしろこれをしろと言われるがままにあっちに行きこっちに行きとしておったが、モンスターの相手は面倒であるため、そばを通り抜けていく。

その結果、ウェディの身体で、初めてボスと戦ったのはレベル5だった。



惨敗であった。
仕方あるまい。レベル上げを避けてきた結果だ。

この時の吾輩が装備しておるのはオノである。
純粋に攻撃力が高かったからオノを装備しておったのだが、どうにも勇者らしくない。

勇者と言えばやはり、片手剣に盾である。
しかし、剣と盾を両方そろえるのは面倒であるし、純粋な攻撃力だけを考えると大剣の方が高い。

迷いに迷った末、大剣を吾輩の得物とすることとした。

なにごとも形から入る吾輩ではあるが、そのあたりは割と柔軟なのである。


レベル5で惨敗するのであるならば、レベルをあげるしかないであろう。

やくそうを買い込み、地底湖にこもる。
プチアーノンを倒しに倒してレベル7。
レベルの上りも悪くなってきたところで、黒き花婿に再挑戦である。



惜敗。惜敗であった。
おそらく、パーティを組めば楽勝であったであろう。

再度レベル上げである。
プチアーノンも飽きてきたため、次はレムール緑野の祈りの宿の東にいるねこまどうで経験値を稼いだ。

勝てそうな勝負であったため、1レベルだけ上げて、装備を整えて再戦。



ようやく勝利を得た。

無事、花嫁を助け出した後、村長に外へ出る許可を得た。大陸間鉄道パスまでくれた。

そうして吾輩はここぞとばかりに外の世界にとびだしたのである。
それはもう凄い勢いで……メラゾーマの様に島を飛び出していったのである。

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若きウェディの悩み。

吾輩はげいむすきおである。
ウェディの戦士げいむすきおである。

吾輩と同じげいむすきおという名の若いウェディが死に、ただの肉塊と化したその抜け殻に吾輩の魂が入り込んだ。



これは偶然なのであろうか?

同じげいむすきおという名のウェディがいることだけでも驚愕の事実だが、そのウェディが吾輩と同時期に死んだ?

そのようなことが果たしてありうるのだろうか?

いや、同時期かどうかはわからぬか。
吾輩の肉体が死に、魂の状態でどれくらいの時が流れていたのかわからぬからな。

しかし、懸念はもう一つある。

もし吾輩がオーガを選んでおったら?
げいむすきおという名の若いオーガの体にわが魂が入り込むこととなっておったのであろうか?
その時はげいむすきおという名前ではない若いオーガの肉体に入り込むことになっただろうか?

わからぬ。
もしかしたら、最初から「ウェディのげいむすきお」が死ぬことが決まっていたのだろうか?
吾輩がウェディを選ぶことも決まっていたのだろうか?

そうなると、「ウェディのげいむすきお」は最初から吾輩に体を譲る為に生きてきたようなものではないか。

そんなはずはない。それではあまりにむなしい生だ。
全ては偶然だ。

そう思いはするが、それでも少しうすら寒い思いがした。


推測はいくらでもできる
だが、今はそんなことを問題にするべき時ではなさそうである。

げいむすきおという名のウェディが死んでしまったのは、もう取り返しのつかない事実なのである。
せめて、彼の成そうとしていたことを、彼の代わりに吾輩が成そうではないか。


彼は天涯孤独の身で、いつか生みの親を探す旅に出たいと思っていたようである。

その役目、吾輩が代わろうではないか。


目的を果たすため、吾輩はやるべきことを逆算していく。


生みの親を探す旅に出るためには、一人前と認めてもらう必要がある。

一人前と認めてもらうためには、仲人の様なシェルナーと呼ばれる役目を無事果たさなければならない。

シェルナーの役目は、結婚式を無事に挙げさせることである。

式を挙げるためには花婿が花嫁に贈る貝を選らなければならない。


まずは花嫁に贈る貝を探す手伝いから始めればよさそうである。


大きな目標を達成するためには、やるべきことを分割し、出来ることから片付けていくのがデキる勇者である。

デキる勇者かどうかはともかくとしても、一つずつ問題を解決していくのが目的達成のための早道であろう。

「スライムから始めよ(注1」というやつであるな。


(注1:大きな目標を持っていても、まずは手近な所から始めていくのが良いという意味で使われる。『オーグリード大陸にドラゴンを倒したというオーガの戦士がいた。その戦士に「どうすればドラゴンが倒せるほどに強くなれるのか?」と、訊ねたところ「まずはスライムを倒せるようになりなさい。スライムが倒せたら次はドラキーです。ドラキーの次はゴースト……。そうして、少しずつ強い相手に勝てるように頑張りなさい。そうすれば、いずれドラゴンも倒せるようになるでしょう」と答えた』という故事が由来。




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吾輩はウェディとなった。

吾輩はげいむすきおである。
ついこの間まで人間であったのだが、現在はウェディである。

昨日は「ついこの間まで人間であったのだが」の話をしたので、本日は「現在はウェディである」の話をしたいと思う。

吾輩は冥王なにがしの攻撃を受け死んでしまった。
体は死んだのだが、なぜか魂は助かっていたらしく、わけのわからぬ場所に飛んきた。



一体ここはどこなのであろうか?



その時、心に直接何者かが話しかけてくるものがある。
その言葉を信ずるならば、魂だけは助かったっておるので、吾輩とは逆に魂だけが死んでしまった空の肉体に、わが魂を移してくれるというのである。

人間の空の肉体があればよかったのであるが、、残念ながら人間の体はなく、オーガ、ウェディ、エルフ、ドワーフ、プクリポの中から選ばねばならぬらしい。

全く状況を飲みこめぬが、吾輩一人が特別扱いを受けておることは確実である。
その証拠に、村の他の住人は誰一人ここにはきておらぬ。

特別な扱いを受けるからには、特別な事を成さねばならぬ。
何より、わが村を滅ぼした何者かを討ち果たさねばならぬ。


こうして吾輩は使命に目覚め、勇者げいむすきおが誕生したわけである。

吾輩は考える。

勇者とは何か?
勇者とは恐れぬものである。

ではなぜ恐れぬのか?
恐れぬのは強い信念をもつからである。

しかし、信念だけでは仇はとれぬ。
力も必要である。


そうとなれば、ここが思案のしどころである。
それぞれの種族の特徴を姿なき声に教わる。

教わったことと吾輩の感じたことをまとめる。

オーガ:力と勇気の種族。力と身の守りに優れる。⇒戦士系
ウェディ:愛の歌を詠う種族。力と素早さに優れる。⇒武闘家系
エルフ:叡智を備え自然を敬う種族。魔力に優れる。⇒僧侶系
ドワーフ:富と技術を尊ぶ種族。器用さに優れる。⇒盗賊系
プクリポ:笑いと夢に生きる種族。魔力に優れる。⇒魔法使い系

勇者と言えば、片手剣に盾が伝統的様式美というものである。
杖やツメや短剣はお呼びではない。

吾輩はどちらかというと形から入る性質なのである。

そうなると職業は戦士に確定である。

戦士に向いた種族はオーガ、次点でウェディである。
この段階で二択である。

オーガは脳筋の印象が強く、かといってウェディは軽すぎる心持ちがする。

吾輩は大いに悩んだ。

大いに悩んだ結果、ウェディにすることにした。



多少、なよなよしていた方が今風であろう。


それはそうとして種族の像が見当たらぬ台座が二か所あった。



これは竜族や人間族がはいるところなのであろうか?

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吾輩は人間をやめさせられた。

吾輩はげいむすきおである。
ついこの間まで人間であったのだが、現在はウェディである。

おそらく貴公には吾輩の言っている言葉の意味はわからぬであろうが、事実そうなのである。

もう少し詳しい話をするならば、吾輩がまだ人間であった頃、エレーネの村という所で妹げいむいやよと二人、暮らしておった。

それはもう平和な村であった。平和を絵にかいたような村であった。

しかし、ある時その平穏はうち破られた。
本来、結界の力により入ってこれぬはずの魔物が村に入り込んできたのである。



この一匹は軽くいなせたものの村の結界の力が弱まっていることは確実であり、村に滅びの日が訪れるのもそう遠くないと感ぜられた。

だが、村の預言者的存在の老婦の言によると、一つだけ助かる道がある、テンスの花を手に入れろ、とのことであった。

どういう仕組かはわからぬが、テンスの花を手に入れさえすれば、滅びの道から救われるらしいのである。

よって、吾輩は村の腕利き一人と妹の計三人で、その花を求めて、清き水の洞くつへと向かった。

途中、幾匹もの魔物を目にするが、魔物といえども同じ土地で生活をする者、無駄な殺生はせぬ方がよかろうと思い、華麗な足取りでかわし、先へと急ぐ。

ようやく洞窟の最深部、テンスの花咲く太古の泉へと辿り着いたところ先客がいた。
それだけならよいが、この先客は「エレーヌの民は時間を操る」だとかなんとかわけのわからぬことを言いながら襲いかかってくるのである。

言っている意味が全く分からず恐怖を感ずる。



この戦い、結果を言えば、惨敗であった。

魔物を躱して生きてきたのが仇となった。
戦闘の経験が圧倒的に足りなかったのである。
加えて、回復アイテムもなく、勝てる要素がなかった。

例え魔物と言えども殺すのは不憫だと思い戦いを避けてきたが、その時より吾輩は鬼になる。
魔物と見れば切りかかり、剣の錆とし、我が血肉としていく。
吾輩はめきめきとその頭角を現していったが、妹はレベル3から上がらぬし、シンイもレベル7から変わらぬようであった。

そして、村で薬草を大量に買い込み、再度、謎の先客、魔導鬼ベドラーに挑戦した。



当然、圧勝であった。

こうして、テンスの花を手に入れた吾輩らは意気揚々と村へと帰ろうとしたが、村の方角から火の手が上がるのを目撃し、嫌な予感を抱きつつ、帰路を急ぐ。

嫌な予感は見事に的中し、平和を絵にかいたような村が、地獄絵図へと変化していた。

必死に状況を理解しようとしていたところに火球が飛んできた。
今まさに妹がその餌食になろうという瞬間、時が止まった。
時が止まり、次の刹那、妹は消えた。

理解の範疇を超える出来事ばかりが続き、何も抗うことができないまま吾輩は暗闇に包まれ死んだ。



ここまでが「ついこの間まで人間であったのだが」の部分である。

明日は「現在はウェディである」の部分を説明しようと思う。

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吾輩はげいむすきおである。

吾輩はげいむすきおである。
勇者げいむすきおである。

残念ながら、吾輩のことを知る者はごくわずかである。
ましてや、吾輩のことを勇者と認める者に至っては一人もおらぬ。

――いまはまだ。


おそらく貴公も吾輩のことを全く知らぬであろう。

だが、今、知った。

知ってしまった以上は更に知りたくなるに違いない。
もし、更に知りたくなったのならば、ここに書かれておる吾輩の記録を読むと良い。

そして、更に知ったならば認めざるを得なくなるだろう。

げいむすきおは勇者である、と。


まぁ、認めぬなら認めぬで良い。
貴公が認めようが認めまいが、吾輩が勇者であることは揺るぎない事実であるのだからな。

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